Love♡LDK

夜7時。

“Mパラ20周年記念!特別ライブスペシャル”が始まった。

たくさんの人。

眩しいライト。

身体がうずうずする。

あたし達Rainbowは楽屋にいる。

出番はまだまだ先・・・。

衣装は着てるけどね。

SuperStarがラストで、Rainbowはその前。

早く出番来い~・・・。

モニターで会場の様子を見ながら、メンバーで談笑。

「・・・でさ~、あの先生マジ意味不!」
「あー、分かる分かる!」

みんなで笑って話してた。

そしたら。

―――――コンコン

ドアをノックする音が聞こえた。

誰だろう?

麻衣ちゃんかな?

「どうぞ」

ちぃちゃんが返事をした。

その声を聞いて、ドアが開いた。

・・・そこにいたのは。

「失礼しますわ。Rainbow様」

麻衣ちゃんじゃなくて。

あたしが、Rainbowが、恐れていた。

―――――SweetLove、だった。

あの怖い集団じゃないけど、また何かされそうで・・・。

気づいたら、拳が震えてた。

先頭にリーダーの加賀谷玲華ちゃんとグループ内で1番人気の柏原真菜ちゃん。

そしてその後ろにはもう10人のメンバーがいた・・・。

「あのさ、早く消えてくんない?目障りなんだけど。ブス共が」

腕組みをした真菜ちゃんがそう吐き捨てた。

・・・きっと、誰もが持ってる“善”と“悪”の顔。

SweetLoveのメンバーの今の顔は“悪”の顔。

テレビでは天使のような“善”の表情なのに・・・。

表情が凍りついていた。

あたし達は何も言わずに、ただ立っていた。




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