Love♡LDK

「分かった・・・」

キッズが小さく呟いた。

「何が分かったの?」
「さっき、順位に捕われてるなんて可哀想って行った時の加賀谷玲華の様子、おかしかったよね」

ちぃちゃんの問いに、キッズが答えた。

確かにそうかも。

なんか、あたふたしてたような・・・。

「私の予想だと多分、社長から何かしら言われてるんだと思う。常に№1を取れとか・・・」
「あっ、なるほどね。だから私達に嫌がらせしてくるのかぁ・・・」
「あくまで私の予想だけどね」

キッズ、超冴えてる・・・。

「加賀谷グループと言ったら日本の大企業のひとつだもんね・・・。まぁ、ここ数年は‟Cherry I”の方が上かな」
「だからかもね。どうしても天下を取りたい、でも‟Cherry I"に取られた。我が社の人気アイドルが天下一だ、でもデビューしたてのRainbowに取られた」
「・・・取り返したいって事?」

キッズの推理にあたしが口をはさんだ。

そしたらキッズはにっこり笑って、

「そう言う事だと思うよ~。満奈、たまにはやるね」

と言った。

たまにはとか失礼なっ!

傷つく・・・。

「そのくらいで嫌がらせするとか、加賀谷社長もずいぶん子供だね~」

おどけた口調の真琴。

「ホントホント。聞いて呆れるわ」

ふぅ、っとため息をついた華歩。

あたし達の手は、身体は、震えていた。

嫌がらせの理由に対しての怒り。

「・・・負けないよ。そんな奴らに」
「キッズ・・・」

4人の目が、キッズに向けられた。

自信に満ち溢れたような表情。

「正々堂々と、Rainbowは実力で勝負してやろう」

その言葉は魔法みたいだった。

震えが収まっていく。

「№1なんか関係ない」

モニターの中には、SweetLoveのメンバーがいた。

さっきとは180度違う善の顔だった。





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