Love♡LDK
「ただいまぁ・・・」
午後9時。
満奈がへとへとになって帰って来た。
今回は中止にならなかったらしい。
「おかえり、満奈」
「ねぇ、今日のライブに来た?」
靴を脱いで俺を見上げる満奈。
・・・心配かけたくないんだな。
「あぁ・・・、ごめん。急に仕事入って」
「そっか・・・。大丈夫だよ」
そう言って笑った満奈の笑顔はやっぱり作り物。
早く・・・、心からの笑顔を見せてよ。
「お風呂入る・・・」
「分かった。行っといで」
俺がそう返事したら、満奈は悲しそうな顔になった。
「えっ・・・」
「どした?」
「一緒に入らないの・・・?」
俺に抱きついてきた満奈。
・・・ドキッとした。
潤んだ目に、俺を悩殺する言葉。
それと同時に胸が苦しくなった。
抱きついてきた満奈の手が、震えてたから・・・。
「いいのか?」
満奈は今、戦ってるんだ。
松本アリア、加賀谷玲華、そしてあの残酷な暴言と。
でも、その戦いがあまりにも辛すぎて・・・。
俺に、自分の居場所を求めてるんだ。
「うん・・・。一緒にいて?」
ごめんな?
気づいてやれなくて。
だけど、俺がもうすぐお前を救ってやるから。
それまで辛抱してな。
だから今は、満奈の傍にいる。
離れないから。
お前の居場所は、いつでもここにあるから。
そんな思いを込めて、俺は満奈を強く抱きしめた。