Love♡LDK

只今10時。

「お待たせっ」

やっと満奈が来た。

「遅い」
「あはっ。ごめんごめん~」
「そんじゃ、行くか」

2人並んで、デパートの中に入った。

「・・・あれ?」

―――――シーン

建物内は静まり返っている。

満奈の声が響いた。

デパートの中には、俺と満奈しかいなかった。

「ねぇ、何で人いないの?」
「ここの名前は?」
「“Kisaragiショッピングモール”でしょ?・・・あっ」

やっと気づいたか・・・。

「ここ、母さんが建てた店」
「まさか・・・貸し切り!?」
「当たり前~♪だって俺らアイドルだし?」
「凄いね~!お母様に感謝っ!」

今日のデートの事・・・。

昨日母さんに話したら、

“じゃあうちの店、貸し切りにしてあげる♪2人で思いっきり楽しみなさい”

と言ってくれた。

偉大な母さんだな。

“ちなみに貸し切り料金・・・円よ”

この言葉は余計だけどな。

その時。

「隼斗、満奈ちゃん」
「翔也さん!」

コツコツと靴を鳴らし、歩いて来たのは兄貴。

・・・と、もう1人。

「どうしてここに・・・?」
「ショップの定員もいないからね。会計係、かな?」
「きゃあー!満奈ちゃんだぁ!」
「紹介するよ。俺の彼女、白雪華恋だ」
「初めまして♪私、Rainbow大好きなの」
「ホントですか?嬉しいです~」

兄貴の許婚、華恋さん。

「今日は俺らもデートするから邪魔しないでな?」
「兄貴こそ、満奈にちょっかい出すんじゃねぇぞ」
「えっ?翔也っ!私よりも満奈ちゃん・・・当然か」

何が言いたいんだ華恋さんは・・・。

多分、“私より満奈ちゃんを選ぶの?”って言いたかったんだろうな。

「何言ってんだ。俺には華恋だけだ」
「翔也・・・!」

満奈の方が断然可愛いけど。


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