Love♡LDK

「おはよっ、満奈♪」
「う・・・ん」

朝、起きてリビングに行ったら玲央がいた。

・・・隼斗は?

そう思って辺りを見回しても、彼の姿はなかった。

いつ帰ってくるんだろう・・・。

その前に、玲央との事を何とかしなきゃ。

「今日仕事はぁ~?」

いつもの口調で聞きながら、トーストを食べる玲央。

玲央は・・・可愛いもカッコいいも混ざってるよね。

性格は癒し系・・・かな?

外見も中身もいいから、女の子なんていっぱい寄ってくる。

・・・あたしよりもいい子なんて山ほどいるのにねぇ。

「午前に打ち合わせ。午後は千咲と菜々子と女子会」
「へぇ~。俺もChisaちゃんとNanaちゃんに会いたいな♪」
「入って来ちゃだめだよ」
「はぁ~い。俺は学校だも~ん」

あたし達3人の間では、女子会は“満奈の恋愛相談”みたいになってる。

だって千咲も菜々子も、好きな人とか彼氏とかいないんだもん。

だからいっつもあたしばっかなんだよね・・・。

こんがり焼けたトーストを食べ、部屋に戻った。

最近、睡眠不足・・・。

多分・・・いや、絶対そう。

隼斗がいないから。

早く・・・あたしを安心させてよ。

もう離さないって言ったくせに・・・。

「じゃあね、満奈。いってきまぁす」
「あっ・・・うん。いってらっしゃい」

―――――バタン

玲央が部屋から出ていくと同時に、大きなため息が零れた。

この部屋から始まった、あたし達の恋愛。

甘くて甘くて、素敵な空間だったのに・・・。

“玲央”という存在に、そのモノがかき消されていってるような気がする。

それで、不安になるの。

“あたし”と“隼斗”も消えていってしまうんじゃないかって・・・。

もうこのまま、離れ離れのままなの?

距離と共に、心までも・・・。


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