Love♡LDK
満奈の母さんが帰っていった直後。
―――――ギュッ
満奈が抱きついてきた。
「どうした?」
「んー・・・しばらくこのままでいさせて・・・?」
その声は少し悲しそうで。
俺は優しく満奈を抱き締めた。
「ねぇ・・・」
「ん?」
「あたしが落ちた時・・・みんなどんな顔だった?」
やっぱ、気にしてる?
満奈が落ちた時は・・・。
悲しそうな顔。
心配そうな顔。
中には笑う奴も。
人それぞれだった。
「分かんねぇ」
正直に話したら満奈を傷つけるか?
「あたしは分かるよ。みんな悲しそうな顔してた」
俺の腕の中で、満奈は淡々と話す。
でも、その声が徐々に涙声になっていく事に気付いた。
「あたしのせいで、楽しい雰囲気壊しちゃった。ホントにあたしってドジだよね~」
満奈・・・。
明るく言ってるようだけど、顔は明るくないぜ?
「せっかく、みんな盛り上がってたのにねっ!」
「満奈・・・」
「もう、笑っちゃ―――――」
「満奈っ!」
やめろ・・・。
そんなに自分を責めるな。
「やめろよ・・・」
さっきよりも強く抱き締める。
「無理すんな・・・。お前涙声だぞ?」
「無理なんかっ・・・してな・・・い」
嘘つけ。
強がってるのが丸見えだぞ。
何でそんなに自分を責めるんだよ。
「満奈は何も悪い事してねぇのに」
「隼斗・・・」
満奈は俺に抱きついたまま泣きじゃくった。
「みんな笑ってた・・・」
「うん」
「楽しそうだった・・・」
「ああ」
言う事ひとつひとつに返事をする。
辛かったよな・・・。