Love♡LDK

「今日は私が隼斗を呼んだの!」
「えっ!?」
「“理想のデート”って言うテーマの撮影でね。彼氏役はモデルの人だったんだけど・・・どうしても隼斗にしたかったんだ」

よく分かんねぇ・・・。

何で俺なわけ?

他の奴でもいいじゃん。

「何で俺なんですか?」

そう聞くと、



「だって私、隼斗が好きなんだもん」



衝撃的な返事が返って来た。

柚香が、俺を・・・好き?

周りにいた人達がざわめいている。

そんな中、柚香だけが笑顔だった。

「相手役は、隼斗じゃなきゃ嫌なの・・・」

コイツ、昔から変わってねぇな・・・。

我が儘。

自己中心。

自分の私情を仕事に持ち込んでいいと思ってんの?

ここは芸能界だぞ?

「・・・甘ったれんじゃねぇ」

小さくそう呟いた。

「えっ?なぁに?」
「ちょっと来てください」

俺は柚香の手を引いて、スタジオから出た。



スタジオからかなり離れた暗い廊下。

「隼斗っ・・・」

柚香は何を期待してるのかは分からないが、嬉しそうな顔をしてる。

「甘ったれんじゃねぇよ」
「えっ・・・」

俺がそう言うと、一気に驚きの表情に変わる。

「仕事は仕事だ。私情を持ちこんでスタッフに迷惑かけるなんて芸能人失格だぞ」
「だっ、だって・・・」

んだよ、“だって”って。

まだ言う気か?

「隼斗が桜井満奈なんかとキスするから悪いんだよ。あれ見てから私、自分の隼斗に対する想いを抑えきれなくなったんだよ?」

・・・はぁっ!?

柚香の言っている事が分からない。




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