Love♡LDK
「たとえ架空の話だとしても、隼斗が他の人とキスするなんて耐えられない」
俺、お前の彼氏でも何でもないんだけど。
何で縛られなきゃいけないんだ?
俺には・・・守りたい奴がいる。
「俺はお前の彼氏でも何でもないんだけど」
「えっ・・・?」
・・・はっ?
その反応、何?
いかにも“私達恋人なんじゃないの?”っていう様な反応してるけど・・・。
「私達、付き合ってるんじゃないの?」
ほぉら・・・。
何をどうやって脳内変換したんだ、コイツ。
「知らねぇよ。俺には彼女いるし」
「それは私でしょ?」
「違う。・・・だいたい、俺そんな事言ったか?」
柚香が驚いたような顔をした。
俺の方がびっくりだっつーのっ!
「小さい時、約束したじゃん。隼斗言ってくれたよね、“柚香は俺のお嫁さん!”って」
はて・・・?
んな事言ったっけ?
「覚えてないの~?ひどぉい・・・」
間延びした言い方が、なんだかムカつく。
「だーかーらっ!そんなの昔の話だろ!?」
「“そんな”って・・・。私にとっては大事な事なんだからねっ!隼斗は私と結婚するの」
怒ったように声を荒げた柚香。
そして。
「誰なのっ・・・!隼斗の彼女・・・」
―――――ゾクッ
柚香が、背筋が凍りそうなほどの怒りを露わにした。
思わず身震いをする。
ここで、満奈の名を言ったら・・・。
コイツは何をするか分からない。
嫌がらせするかもしれない。
芸能界から追い出すかもしれない。
終いには、あの部屋から―――――。
・・・満奈はあの初ライブツアーの時にそういう事を経験してる。
もう、あんな思いをしたくないだろう。
だから・・・。
「それは言えない・・・」
俺ははっきりとそう言った。