Love♡LDK

ニヤリと妖しく笑う春輝くん。

逃げたいけど、怖くて逃げれない・・・。

そして、ついに。

「何で逃げるの?」

あたしは春輝くんと壁に挟まれてしまった。

「何でって言われても・・・」

あたし、貴方の彼女でもなんでもないんですけどっ!

それよりも早く脱出しなきゃ!

でも、逃げようとしたその瞬間。

「っと。逃がさねぇよ?」

手首を捕まれた・・・。

何なのよ、もうっ!

「離してください・・・」
「嫌だ。俺の話聞いてくれたらいいよ」
「話?」

あたしに言わなきゃいけない事なの?

急いでるのに・・・。

早くしてよ。

「うん。聞いてくれる?」
「はい・・・」

春輝くんから、香水の匂いがする。

凄く嫌いな匂い・・・。

頭が痛くなってくる。

「俺さ」

真剣な瞳で、あたしを見つめた。



「満奈ちゃんが好きなんだ」



その言葉を聞いた瞬間、本気で逃げたかった・・・。

嫌・・・。

やめて。

あたしにそれを言っていいのは、隼斗だけなの。

「俺と付き合ってください」
「無理です・・・」
「何で?」

あたしには、隼斗がいるから。

愛したいのも、愛されたいのも隼斗だけだから。

とは、言えなくて・・・。

ただ頑なに、

「無理です」

そう言い続けた。



< 366 / 776 >

この作品をシェア

pagetop