Love♡LDK
満奈がいなくなってすぐ。
俺は、自分の唇に手を当てた。
何で・・・キスした?
それも、もう好きなんかじゃない俺に。
不思議に思った。
「んだよ、アイツ・・・」
壁に寄りかかり、ズルズルと床に座り込んだ。
頭を抱える。
鮮やかに蘇る、満奈との思い出。
“あたしも、隼斗くんが好きだよ”
“今日は・・・、ずっと隼斗とこうしてたいな・・・”
“誘ってなんかないし!”
“ふふっ・・・、顔真っ赤”
“隼斗の馬鹿ぁ・・・”
“あたしだって、シたいよ・・・”
“二重人格俺様変態野郎”
“はい、あ~ん・・・”
“じゃあ隼斗は王子様だね”
“わぁ~!綺麗だねっ!”
“キスしよ?”
“あんまりさ、あたしをドキドキさせるような事言わないでよ・・・”
“愛してるよ、隼斗”
いろんな表情の満奈を思い出す度、顔がニヤけてくる。
照れた満奈も。
気の強い満奈も。
甘えん坊な満奈も。
積極的な満奈も。
たまにエロくなる満奈も。
無意識に俺を誘ってる満奈も。
全部愛してた。
・・・いや、今でも愛してる。
でも今は・・・。
抱き締める事も、キスする事も。
抱く事も出来ない。
満奈・・・。
お前は誰が好きなんだよ?
「ちっきしょ・・・」
悔しくて、悲しくて。
涙が零れた。
「好きなんだよっ・・・」
小さく呟いたその言葉は、やけに大きく聞こえた。
満奈はもう、俺の元には・・・帰って来ない。