Love♡LDK
気がつけば俺は、寮の前まで来ていた。
どうやって帰って来たかなんて覚えてない。
頭は、満奈の事でいっぱいだ。
“ふふっ・・・。後1年待ちますね?”
そう言って自分の左手の薬指を指差した満奈。
あれは確か・・・俺の17歳の誕生日の時だ。
“おう。一生手放せないモノをやるから”
そして俺は、そう返事した。
あの頃に戻りたい。
・・・いや、戻ってもどうせ“今”がやってくるんなら。
いっそ、満奈と出会わない方が良かったかもな・・・。
そこまで考えて、俺は首を横に振る。
満奈がいなきゃ、俺はここまでやってこれなかったな。
初めて人を好きになって。
初めてあんなに苦しい想いをして。
初めて本気で人を愛した。
満奈がいなきゃ、今の俺はいない。
「ちっきしょ・・・」
俺を変えさせてくれた張本人は。
―――俺の隣に、いない・・・。
ふらふらと歩きながら、ようやく605号室まで来た。
鍵を開け、中に入った。
その時。
―――ドンッ
「うぉっ!?」
何かがぶつかって来た。
「流川先輩♡」
はっ・・・!?
何でコイツがここにいるわけ・・・?
「華園萌香・・・」