Love♡LDK
(side満奈)

―――キキィッ

車が止まった。

「着きました、満奈様」
「ありがとう」

松沢さんにドアを開けてもらい、あたしは車から降りた。

目の前には、大きなホテル。

そこには、"HOTEL Cherry I"と書かれている。

あたしがもうじき・・・このホテルも動かすことになるんだ・・・。

ポケーッとそのホテルを見つめてた。

すると、

「満奈ちゃんっ♪」

後ろから名を呼ばれた。

この声は・・・。

振り返ると、そこには予想通りの人物。

「柳さん・・・」

あたしの婚約者、柳雅也さんがいた。

「ヤダなぁ。2つしか年変わらないんだし、俺の事は雅也でいいよ」

さり気なくあたしの肩を抱いた柳さん。

ヤダっ・・・!

触らないで・・・っ。

一瞬、肩に置かれた手を振り払おうと思った。

―――でも。

彼はあたしの婚約者。

この先、ずっと一緒にいるのは柳さんなんだから。

例え嫌でも、触れられる事くらい我慢しなきゃな・・・。

「それは・・・2人きりの時だけじゃダメですか?」

あたしが彼の目を見つめてそう言うと、

「恥ずかしがり屋さんだなぁ~、満奈ちゃんは♪」

さらにあたしの肩を引き寄せ、自分と密着させた。

ちっ、近くない!?

「じゃあ、行こっか」

そのまま彼は、あたしを連れてホテル内に入った。

「あれ・・・桜井満奈じゃん!」
「柳様の何なの?」
「確か彼の婚約者って、桜井仁菜様でしたよね?」
「桜井満奈・・・仁菜様と似てない?」

すると、ひそひそと声が聞こえた。

全て、女性の声だった。

ほらぁ~・・・。

あたし、注目されちゃってるよ・・・。
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