Love♡LDK

それからも隼斗は、あたしにいろんな事を聞いた。

趣味、特技、好きなモノ。

記憶を無くす前なら、絶対に知ってる事。

だからこそ・・・聞かれるのが余計に辛かった。

そして、ついに―――。

「なぁ」
「何?」

彼は躊躇いがちに聞いた。





「俺と桜井の関係って、何?」





あたしが1番恐れていた質問が来た。

それも、

“桜井”

出会った頃の呼び方で・・・。

ただ1回、名字で呼ばれただけなのに。

こんなにも、悲しくなってしまう。

こんなにも、苦しくなってしまう。

こんなにも、泣きたくなってしまう。

こんなにも、距離を感じてしまう。

こんなにも・・・愛おしさが溢れてしまう。

“片想い”

その単語が脳内を駆け巡って・・・。

余計なほどに、彼を愛おしく想ってしまうの。

それは・・・どうしてなんだろう?

もう、叶わない恋だから?

あたしの想いは・・・隼斗には届かないから?

視線が泳ぐ。

彼はずっとあたしを見つめていた。

どうしよう・・・。

何て言えばいいの?

“芸能人同士”

ダメ・・・だね。

あたしは今は、芸能人じゃないんだし。

“アイドルとファン”

それだと・・・怪しく思われてしまう。

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