Love♡LDK
「えぇ~。何でですか?」
何でって言われても・・・。
俺には理由が見つからなかった。
ただ・・・、何かが引っかかっているような気がした。
俺は今まで、本気で恋をした事がない。
本気で女を愛した事もない。
・・・はず、なのに。
俺の身体は、“誰か”を求めていた。
欲しがっていた。
それは誰なんだ?
微かな記憶を引っ張りだそうとしても、なかなか出てこない。
・・・それと。
俺には今、気になっている存在が1人。
それは、満奈。
1回会っただけなのに。
数時間話しただけなのに。
満奈は、俺の心をガッチリと掴んだようで。
気になって気になって仕方なかった。
もっと知りたい。
もっとあの声を聞きたい。
「でも、大丈夫ですよ♪絶対“好き”って言わせて見せますから」
何が大丈夫なんだ?
華園はさらに強く抱き着いて来た。
・・・違う。
ふと、そう思った。
・・・違和感。
何でそんなモノを感じたのかは分からない。
この抱き締めた感じ・・・。
違う。
何が違うのか。
また、引っかかりを覚えた。
心には、穴があいたような感覚。
分からずじまいに・・・俺は華園を自分から剥がした。
抱き心地が違う。
いつも安心してた・・・あの感じはどこだ?
そして、それは誰なんだ?
いくら頭の中を探っても。
・・・答えは、見つからなかった。