Love♡LDK

終わった後。

俺はふと、ある事を思い出した。

「なぁ、満奈」

名を呼ぶと、トロンとした目で俺を見る満奈。

ヤべぇ。

可愛すぎんだろ。

満奈の細い腰を引き寄せ、距離を縮める。

「あの虹のネックレスの文字、いつ書いたんだ?」
「あぁ、あれ?気づいてくれたんだ」

俺の質問に、満奈は嬉しそうに笑った。

「あれを書いたのは、別れた日だよ」
「じゃあ・・・何であの文字?」

"Love You"

まぁ、うすうす気づいてるけど・・・言わないでおく。

だって、満奈の口から聞きたいから。

「別れるけど、あたしは隼斗が好きって想いを込めてあの文字にしたの」

満奈は続けていった。

「あの時は“他に好きな人が出来た”なんて言ったけど、“それは嘘だ”って気づいてほしくて。今考えればあたし、何してたんだろうね」

助けてほしかった?

行くなって言ってほしかった?

ごめんな・・・。

弱い男で、ごめんな。

「いや、それのおかげで助かったよ」
「へっ?」

意味が分からないとでも言うように、満奈は首を傾げた。

「満奈の事思い出したきっかけ、あのネックレスと文字」
「そう・・・なの?」

満奈の事を思い出せたのは、満奈のおかげだ。

サラサラの髪を撫でた。

くすぐったくて気持ちいい。

満奈に触れていると、心が満たされる。

「ありがとな」

満奈のファインプレイに感謝だな。

―――チュッ

軽く唇にキスした。

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