Love♡LDK
「いいから出てけ」
「嫌です」
「何で嫌なわけ?」
「隼斗先輩が好きだからです」
そんなの知ってる。
でも、お前じゃ無理。
俺はお前を愛せない。
お前は俺を幸せには出来ない。
俺にはもう、“運命の女”がいるんだから。
「・・・どうしてっ!?」
俯いていた華園は、顔を上げた。
泣いている。
「まだ桜井先輩が好きなんですかっ!?」
初めて見た。
取り乱した華園を。
泣いている華園を。
こんなにも・・・必死になっている華園を。
「私の方が、先輩の近くにいます。桜井先輩より、先輩の事想ってます」
―――ギュッ
抱きついてそう言った華園。
だけどすぐに引き剥がす。
「・・・悪いけど」
お前の方が、俺の近くにいる?
・・・それは、一昨日まで。
今はもう、満奈が俺の隣にいる。
一生離さない。
お前の方が、俺の事想ってる?
・・・華園の想いがどれくらいか知らないけど。
お前がいくら想ってたって、俺の心は満奈に向いている。
それは、満奈も同じで。
“片想い”と“両想い”には、小さそうで大きすぎる差があるんだ。
「俺、また満奈と付き合う事になったから」
華園の目が、大きく見開かれた。