Love♡LDK
「満奈ちゃん、俺めっちゃ大ファンです!大好きです!」
「あっ、ありがとう」
玲音くんに手を握られ、ぶんぶん振られた。
いっ、痛い・・・
玲音くんから、シトラスのいい匂いがした。
「ねぇ、俺の彼女になんない?」
今度は海司さんに顎をクイッとあげられた。
少しきつめの香水の匂い。
あたし、ちょっと苦手かも。
「ちょっ、お兄ちゃん!何で満奈口説いてんの!?」
「いいじゃねーか。俺の勝手だろ」
いやいやいや!
口説かれても困ります・・・。
大体、こんなにも可愛くないあたしを口説いても意味ないと思うけどな・・・。
海司さんならもっとこう、ギャルっぽい人が似合いそうだけどな。
そのまま4人でワイワイ騒いだ。
しばらくすると、
「満奈ちゃ~ん」
「きゃっ!?」
酔っぱらった海司さんが、あたしに抱き着いた。
ちょっ、はっきり言って香水臭いです!
誰か助けて!
って思ったけど。
真琴は寝てるし、玲音くんは黙々とあたしの料理食べてるし・・・。
ってか今何時?
そう思って時計を見ると、もう既に22時半だった。
嘘!?
もうこんな時間なの?
そろそろ帰らなきゃな・・・。
「海司さん、玲音くん。あたし、そろそろ帰りますね」
「え~。まだ行かないでよ~」
「ちょっ、兄貴!満奈ちゃんを離せ!」
「うるせーよ馬鹿弟!」
「んだとエロ兄貴!」
あたしがそう言うと、海司さんはあたしの足に抱き着き、玲音くんはそんな海司さんをあたしから剥がし始めた。
そしてそのまま、ケンカが始まった。
ごめんなさい、あたし帰ります。
2人にバレないように、そーっと203号室を出た。
寒っ。
ぶるっと身体を震わせ、605号室に向かった。