Love♡LDK

「桜井!サインくれ」
「先生ズル~い」

担任にサインを求められた。

「いいですよ。どこにですか?」
「これに!」

そう言って先生が指差したのはスーツ。

「えっ、いいんですか?」
「あぁ。問題なし!俺は生涯Rainbowのファンだ!」

先生、Rainbowにハマってる暇があったらお見合いでもしたら?

とはさすがに言えない。

スーツにサインした。

その時、

「まぁ~なぁ~っ!」

すっかりおなじみの、メンバーの声が聞こえた。

「真琴!」
「はい、これ!満奈のもちょうだい?」

渡されたのは、ボタン。

一昨年ちぃちゃんとキッズにもらってから、Rainbow内ではボタンを交換する事を決めていた。

1番下のボタンをはずし、真琴に渡す。

制服はブレザー。

だけど、ボタンはまだ4個もある。

「ありがとっ。じゃね!」

走馬灯の様に真琴は去っていった。

あたしはまだ大群の中心にいる。

写メのフラッシュが眩しい。

「満奈先輩!」

そんな中、誰かがあたしの名を呼んだ。

声のした方向を向くと、1人の男の子が顔を真っ赤にしてあたしを見つめていた。

「何?」

笑いながらそう聞くと、

「あの・・・」

と、もじもじし始めた。

こんな光景前も見たような・・・。

「俺、満奈先輩が好きです!よかったら第2ボタン、もらえませんかっ!?」

あらまぁ。

あたし、告られたの?

「ありがとう」

そう言うと、男の子はさらに顔を赤くした。


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