Love♡LDK
あたしは袖のボタンをブチッと取った。
「はい、これ」
「あっ、ありがとうございます!」
ボタンを渡すと、男の子は嬉しそうに去っていった。
前のボタンは4個の内3個はちぃちゃんとキッズと華歩に、もう1個は隼斗にあげる。
だから袖のボタンをあげたんだけど・・・よかったのかな?
って言うか、あたしのでよかったのかって言う話だよね。
「満奈!俺にもくれ!」
「私にもください!」
「ちょっ、あっ・・・重い~っ!」
しばらくあたしは、この大群に悩まされた。
1時間後。
「ったく、桜井はホント人気だな」
いつもなら1時間以内に終わるお別れ会が、今年は2時間近くやっていた。
しかも、1番人気だったのがあたしらしくて・・・。
今ようやく、部屋の前に辿り着いた。
―――ガチャッ
ドアを開けた。
あぁ~っ、疲れた・・・。
―――バタンッ
ドアが閉まった。
それと同時に、
―――グイッ
腕を引かれた。
「きゃあ!?」
「ったく、おせぇよ」
引いた人物はもちろん、隼斗。
どうやらあたしより先に帰って来ていたらしい。
ブレザーのボタンが全部ある事が意外だった。
「来い」
靴を脱ぎ、部屋に上がる。
隼斗に腕を引かれ、リビングに入る。
―――バタンッ
ドアが閉まると、隼斗はあたしの腕を離した。
そして真っ直ぐに―――。
あたしを、見つめた。