愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々 2〜
ぎこちない表情でポツリ
ポツリと話すあんずを、
オレは呆然と見てた。



「何だかたぁくんには、
あたしに言えないことが
多いんだね。
家のことも、大学のことも。

あたしには教えたくないのかな?

だから、違うこと言うの?」



「あんずっ、違っ………」



「違わないよ。

だって少なくとも、
ご両親の話のどっちかは
嘘でしょ?」



「……………っ」



返す言葉が出ない。



そりゃそうだ。

真実は、どっちかどころか、
両方とも嘘なんだから。



(あんず……お前……)


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