愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々 2〜
(知りたく……なかったよ……)




――ゴシッと涙をぬぐった
あたしは――その視界に
映った光景に、思わず
ビクッと足を止めた。



「あ………!」



前から歩いて来る人に
見覚えがある。


というか、よく知ってる
人が、女のコと腕を組んで、
楽しそうにこっちへ
近づいて来る――。



「――――あれ」



相手の人もあたしに気づいて、
ちょっと形のいい眉をひそめた。



“うっとおしい奴に
会っちゃった”

そんな感じの顔だ。



「……久しぶりだね、
“あんずちゃん”」


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