愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々 2〜
「そ、それはそうかも
しれないけど……」



(あーくそっ、なんて
言やいいんだっ!?)



軽くパニクるオレを置いて、
亜希達はまたあんずを
促し始めた。



「ほら、あんず。
勇気出して、頑張るのよ!」



「う、うん……!」



あんずがとうとう鞄を
開けて携帯を取り出す。



「あ、あんず……!」



ダメだ、これ以上ムリに
遮ったら不自然過ぎる。



かと言って、同じタイミングで
オレの電話が鳴るのも
かなりヤバいし――。



(………くそっ)



オレは仕方なく、後ろ手に
こっそり鞄を開けて中に
片手を突っ込んだ。


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