愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々 2〜
……って、都内の大学で
そんな電波悪いなんて、
フツーないだろ。



この状況で、誰も本気で
そんなこと考えやしない。


そう……あんずだって。



「……さ、避けられてるの
かなぁ――」



呟いたあんずの目から、
ハラリと透明な滴がこぼれ
落ちた。



「あ、あんず――!」



あわてて屈み込み顔を
近づけるけど、あんずは
もう下を向いて、ポロポロと
大粒の涙を落としてる。



「ちょっ、あんず、しっかり!」



「信じらんない。なんでよ、
たぁくん――!」


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