愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々 2〜
口々に叫ぶ亜希と春香の
声に、あんずの押し殺した
嗚咽が重なる。



そしてあんずは、嗚咽に
混じって途切れ途切れに呟いた。



「も……嫌われちゃったのかも。

やっぱ……あたしなんて……」



「何言ってんのよ!

そんなことあるわけ
ないでしょっ!?」



違うんだよあんず。違うんだ。



「でも……だってそうで
なきゃ、電話……」



「た、たまたま何か取り
込んでて、電源切ってる
だけかもしれないじゃない」



なんて説得力のない説明だ。


言ってて自分でそう思った。


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