愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々 2〜
あまりのうっとおしさに
再びガバッと体を起こして
がなったけど、悟は大して
気にする様子もなく、



「伯父さんの言ったとおりだ。

オレの義務なんだから
仕方ないだろ」



と、シレッとした口調で
言ってのける。



「何が義務だよ。

人の気も知らねーで、
勝手に引っかき回しやがって」



――義務とか、家訓とか、
使命とか。



なんかもう、そんな言葉は
耳にするのもウンザリだ。



この16年、オレはずっと
そんなものに縛られて
生きてきた。


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