愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々 2〜
落ち込みかける心を止め
ようと、必死でそう自分
自身に言い聞かせる。




『……どうしたあんず?

黙り込んで』



「あ、な、何でもないよ!」



『そっか?

……週末には、また会おう。
どっか行きたいとこない?』



いつもどおりの優しい声で、
気さくに尋ねてくれるたぁくん。



最初の元気のなさも、今は
もう感じない。


普段どおりの……おかしい
ところなんて何もない、
たぁくんだ。



――きっとあたしがこんな
つまんないこと考えてる
なんて、気づいてもない――。


_
< 86 / 138 >

この作品をシェア

pagetop