【短編】阿呆と馬鹿の関係
「ごめん、ごめん。でも……」
「でも、何よ?」
「本気に、した?」
もう止めてよ。
何で、また真剣な顔をするのよ。
ここであたしが、真剣に答えたら柚木……どうする?
「した」
「え?」
流れた空気は一瞬重くなった。
だけど、もう引いてなんかあげない。
“友達”なんていらない。
もう知らない。
柚木がけしかけてきたんじゃん。
「本気にした。そう言ったらどうするの?」
一種の賭けだよね。
これを冗談にするのも、本気にするのも、次のあたしの言葉次第。
好き。
そう言えば、本気になる。
なーんてね。
そう言えば、冗談になる。
だけど、だけどね。