【短編】阿呆と馬鹿の関係
「なぁ、俺さちょっと自惚れていい?」
やっぱり柚木は笑ってて。
「お前が俺の事、好きやって思ってえぇよな?」
そう言って、あたしの頭をグチャグチャにした。
後から聞いた話だと、
石沢さんからの手紙は柚木の一つ下の弟にだったらしいって事。
居残りの時に見たのは、その手紙を弟に家で渡すって話をしてたって事。
あたしに「モテていいね」って言われてショックで怒ったって事。
それが気になって、あたしを探してこの教室に来てくれたって事。
そして、ずっとあたしに片想いしてくれてたって事。
「柚木……」
「ん?」
「バーカ」
「なっ!?」
驚いた柚木の顔を見て、あたしは
「好きっ」
そう笑った。
「アホ……」
そんな事を言いながらも、頭をかいた柚木の顔は真っ赤だったんだ。
【END】