【短編】阿呆と馬鹿の関係
ムッとした顔を見せた柚木。
「あ、ごめっ…」
「別にえぇわ」
「あ、いや。違うくて…」
と言い直そうとしたものの。
あまりの空気の重さに黙ってしまった。
ううん、正直。
ここで謝ったらデートに行く事になると思う。
それが恐かったから黙ったのかも。
柚木の事は大好き。
付き合う前より、もっと好き。
だけど、あたしの中で付き合ってからも喧嘩友達みたいなのが変わらなくて不安って悩む。
そういう考えがどこかにあったのかもしれない。
それが、全く別だったから……どうしていいかわかんないの。
そりゃ、付き合ってるんだし。
手も繋ぐし。
キ、キスもするし。
それ以上も……ね、ねぇ。
も、勿論、まだまだ先の話だけどっ!
したいけど、恐い。
ってのが本音かも。
柚木との関係がこんなに変わるなんて思ってもなかったから。