【短編】阿呆と馬鹿の関係
「だって柚木、彼氏だよ?」
「わーわーわー! そ、そんなハッキリ言わないでよー」
“彼氏”
その言葉で顔が熱くなるあたしに『何言ってんだか』とまぁーちゃんの冷たい声。
そりゃ、わかってるよ。
柚木は、彼氏。
わかってるんだけどっ。
「そんな何も知らない可愛い乙女じゃないでしょーが」
と、冷たい目で睨まれるオマケ付き。
「だって……今まで片想いで喧嘩友達だったんだよ?
それが、か…彼氏だなんてっ」
「告ったの一花じゃない」
「う……」
告白したってか。
まぁ、そんな感じなんだけど。
「話、聞いてると柚木がもんのすごーーーく可哀想なんだけど」
「……ですよね」
「わかってるなら、諦めて彼女って自覚を持ちなさい」
「はい」
「よし。となったら話は早い!」
「へ?」
スクッと立ち上がった、まぁーちゃんはニヤッと笑みを零すと
「ゆーずーきー!」
と大声で叫んだ。
「ぬぁ!?」
その横で、負けないくらいにあたしも叫んだのは間違いない。