【短編】阿呆と馬鹿の関係
ヤバイ。
掌がもう汗ばんでる。
ヤバイ。
喉が渇いてきた。
ヤバイ。
おしっこ漏れそう。
あぁ、あたし。
お下品だ……。
まぁーちゃんは、何を思ったか叫んで柚木を呼び出し今日(土曜日)のデートを勝手にしてしまった。
そして、あたしは約束の13時の30分前から待ち合わせ場所に立っている。
携帯を開いては閉じの繰り返し。
もっと彼女らしい事をすればいい。
ってまぁーちゃんは簡単に言うけど……果たして本当なんだろうか。
と、かなり不安のあたし。
「あれ。瀬名早くね?」
「ふぁい!?」
うわっ!
いきなり噛んだ。
後ろから突然聞こえた柚木の声に、肩がビクッと上がってしまう。
「いつから来てたん?」
「え、えっと…今」
振り返ると柚木が居た。
それが当たり前なんだけど。