【短編】阿呆と馬鹿の関係
「今来たのは俺なんやけど……」
「あ、あぁ。そうだよねっ、アハハ…」
ヤバイ。
あたし、完全にテンパッてる!
不思議そうにあたしを見つめる柚木。
「お前、本間アホ……んんっ、じゃなくて待ち合わせ13時やったよな?」
あれ。
今、阿呆って言おうとしたの……止めたよね?
「13時で合ってるよ」
「そか。まだ12時45分やのに、お前おるから時間間違えたんかと思ったわ」
「あぁ。あたしもちょっと早く来たかな」
「そか」
「うん」
……ヤバイ。
会話が続かない。
掌にかいた汗がじんわりと全体に広がった。