ヴァイブ
「離せよ!私は、ヒトのモンには興味ないんだよ!!」

思い切り、玲二の手を振り払おうとする。

「俺には、彼女なんていねぇよ!!」

玲二が否定する。

「別に、嘘つかなくたっていいよ。」

私は、冷静に言う。

「嘘じゃない。」

「だったら、何でさっき、彼女いるの?って聞いたら止まったの?」

「何でって…
じゃあ、何で七海は泣きそうな顔してんの?」


「…っえ……?」


泣きそう?
私が?

自分じゃ、どんな顔してるかわかんない…

「眉間にシワよせて、への字口作って…
子供みたいだよ?」

玲二は、私の頬に手をあてた。

「ガキ扱いすんな。」

視線を合わさない様に言う。

フワッと、玲二のつけてる香水の匂いがして

玲二が私の体を引き寄せた。

「今は、七海が俺の彼女。」

「はっ?」

「だって、七海は俺の事、好きでしょ?」

「好きじゃねぇよ。」

「俺は、好きだよ。七海の事。」


…!?

突然の言葉に、

息が止まりそうになった。

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