ヴァイブ
…って言うか、
逃げてもいいんだよな。

玲二から。

別に、ペットの様に縛り付けられて飼われてるわけじゃないし

押し掛け女房的に、
玲二の家に居着いただけなんだから。


でも、出て行ったらまた玲二との接点がなくなって…

それはヤダ…


…ヤダ?

何で?

Sexの為?

それしかないハズなのに…

何で、こんなに胸が締め付けられてるんだ…?




「ミキ、ケー番教えて。」


自分だけとっととイッタ男は、

自分の後始末だけ手早く済ませて

トランクスだけ履いて携帯を手にしてた。


「私、携帯持ってないから。」


玲二と再開する前に、使ってた偽名と嘘。


「それは、有り得ないだろ~。」

おちゃらけながら言う男の顔が

今までヤッてきた男達よりもかなりブサイクに見えた。


それを横目に見て、
テキパキと服を着て

「もう会う事もないし。それじゃあ。」

言い残して部屋を出た。


行く所…なんて、ない。


前の様に、漫画喫茶でも行くか…

そう思い、足を進めてたら

「七海!」

聞き覚えのある声。

見ると…

「琴子…」

彼氏と手を繋いで、二人で私を見てた。


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