ヴァイブ
「私、帰って来たし、帰れば?」

「う…ん…。」

手をもじもじさせながら、俯く真帆の姿に腹が立つ。


「あぁ…そっか…
響、酔っ払っててまだSexしてないからヤリたいんだ?」

顔を真っ赤にしながら、

「そんなんじゃっ…」

小さく呟く様な声で言う。


…だから

その純情ぶってる所がイジメたくなるんだよ。

「な~んだ。あんたって、結構スキモノなんだね。
ヤリたいなら、響じゃなくてもいいだろ?
適当な男でも見つけてヤッてこいよ。
あんたと同じ家の中にいたくないんだよね。」


…またっ…

泣きそうな顔する真帆。

「マジ、うざっ…!」

吐き捨てて、お風呂場へ。


シャァー――

勢い良くシャワーの蛇口をひねるとお湯が出てくる。


それを浴びて、目をつむりながら

少しだけ自己嫌悪を感じていた。


真帆に対する態度は

完全な八つ当たりだという事に気付いてる。

だけど、どうしても真帆を見てると

キツい言葉が出てしまう。


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