ヴァイブ
…完全に嫌われてるだろうな。

好かれなくたっていいけど。


…って言うか…玲二はどこに行ったんだ?



目を開けて、蛇口を閉めようと手をかけようとすると

背中に何かの気配…を感じたのと同時に

人の腕が私の前にきて背中に胸板の感触。



シャワーを出したまま、振り返る。


「玲っ…二…」

仕事着、白いYシャツに黒いパンツのままの玲二。

「ちょっ…なっ…!?」

ジタバタしながら、玲二を離そうとする。

「離せよ!スケベっ!!」

「男はみ~んなスケベだよ。」

「ってか、何で服着たまま入ってくんだよ。」

「裸見られんの恥ずかしいじゃん。」

「私は裸なんだけど?」

「うん。いい体してんじゃん。」

「そういう事じゃないし。」

振り払おうとしても、玲二は離れない。

「どこ行ってたの?」

耳元で囁くように聞いて来る。


―男と…Sexしてた…―


頭の中では、答えは出てくるけど

口には出さない。

「玲二こそどこ行ってたの?」

「俺に聞く前に答えろよ~。」


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