ヴァイブ
「琴子と…カラオケ…」

…それも、嘘じゃない。

「そっか。」

「玲二は?」

「お客さんに誘われて、俺もカラオケ。俺の美声を聞かせてやったわ。」

「ふ~ん…」


シャァ―――

シャワーの音が響く。


「玲二、出れば?べちゃ濡れだし。」

「七海は、こっちがべちゃ濡れか?」

そう言いながら、玲二は私の太股の間に手を入れてくるけど、

大事な所には触れない。


触れてないのに…

触れてないから…

ジンジンと疼いてる。


「れいっ…。」


吐息混じりで、玲二の名を言おうとすると

「七海。何もしてないのに感じてるの?」

決して、ソコには触れずに言う。


「感じてなんか…な…っ」

否定したいけど、

出来ない。


その先が欲しい。

欲しいんだ…


早く…


そんな私の思いを焦らす様に

「よし寝るか。」

玲二は私から離れて、浴室から出て行く。


えっ!?

何がしたかったの!?

人の裸…見るだけ見て触って…


怒りながら、ボディソープのポンプを押した。


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