ヴァイブ
………ゆっさゆっさ…と、体が揺らされている…

「…なみ…。」

ん?

呼ばれてる…?

「ななみ…」

あっ…やっぱ、私を呼んでる…

「七海~!」

「んぁ?」

まだ眠くて、瞼が重い。


「起きろ!出掛けるぞ!」

「は…?」

寝起きで頭の回らない私の手を引く玲二。

「デートしよ。デート。」

「デート?誰と?」

「俺と。」

「何で?」

「したいから。」

「どこ行くの?」

「どこ行きたい?」

「誘うんなら、行く場所を決めてからにすれよ。」

「ん~。じゃあ…映画でも見るか?俺見たいのあるんだよね。」

「何?」

「んっと~…題名は忘れた。」

「ダメじゃん。」

「行けば思い出すだろ。早く支度しろよ。」

「ん~…」

玲二に促されるまま出掛ける準備を始めた。


30分もしたら、支度も終わって

「いいよ。」

と待っていた玲二に声をかける。

「よし。じゃあ行くか。」

玄関で靴を履く時に、まだ女物サンダルがあるのを見て

真帆、帰ってないんだ…

と思った。


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