ヴァイブ
………見たくない…

「七海~。時間的にちょうど良かったみたい。あと10分もすれば始まるから席行こう。」

「う…ん。」

「あっ。そうだ。ポップコーンは買わなきゃね。」


いらない。と思いつつも玲二がポップコーンを買う姿を見てた。




「うわっ…」

思わず身震いしながら、出してしまった声。

主人公に霊が迫り狂うシーン…

逃げたハズが目の前に…!

の所で出た声。

目ん玉ひんむいて、乱れた髪を振り回しながら主人公に迫る。

主人公は汗たらして、息切れしながら逃げ切ろうとするけど…

それに加えて、
体の中まで伝わってくる様な効果音…


…マジ…ヤダ‥

早く終われよ。


怖いシーンの度、ブルッて軽く震えてた。




「七海。怖いのダメだった?」

映画館を出てからの玲二の一言。

「別に。」

「でも、変な声出してたよね。」

「私じゃないんじゃない?」

「隣に七海しかいなかったけど?」

「じゃあ霊の仕業じゃない?」

フフと玲二は笑う。


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