ヴァイブ
「そうかもな。」

そう言って、また勝手に手を繋ぎ始めた。

…抵抗はしなかった。


もしも…怖かったって言っても

きっと玲二は、バカにしたりなんかしなかった…

そんな人じゃないってわかってるくせに、

これは素直になれてないって事だよな?

琴子が言ってた

「素直に…。」

って難しけど…



「次はどこ行く?」

玲二が聞く。


素直に…

「ホテル。」

と答えると

「それは最後ね。
じゃあ、飯でも食いに行くかぁ。腹減ったし。」

私の手を引っ張る。

最後…?

最後に行くの?

って事は…?



玲二が言う、美味しいパスタ屋さんで
クリームたらこパスタ
を食べてる途中に

フト気になった事を聞く。

「玲二、仕事は?」

「今日は休み。響にまかしてある。」

「そうなんだ。」

「真帆がまた今日来るって言ってたなぁ…。」


真帆…

聞きたくない名前。

「響は、真帆の事は何とも思ってないんだろ?真帆はいいだけ使われて、ヤリ捨てされるだけなんじゃないの?」

「響は、そんなヒドい事はしないよ。」


< 129 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop