ヴァイブ
あの事件以来、
『友達』は徐々にいなくなっていた。

その後の自分のシテタ事にも原因があるし

あの事件後、自分の中にどこかで壁を作ってしまっていて、

めんどくさいから一人でいいや。


と思う自分がいた。


だけど、その壁を琴子は

大きなハンマーを持って叩き割る様に壊して、こちら側にズカズカ入って来て、

王様座りの様にえらそうに、私の心の中に居座っている。


それは、決してイヤなモノではなくて…

逆に落ち着いた。



そんな琴子。
久保 琴子は、私より一コ上の先輩だった。



高校に入学したての5月

風が緑の草を撫でながら通り過ぎる。




パッチリ二重で整った顔立ちは母親譲り。

細身の体に白い肌。
手を加えてないけれど、赤みがかった茶色のロングストレートの髪。


制服は、もちろん崩して着る。

パンツが見えるか見えないかと言うすれすれのスカート。
ブレザーなんて着ないで、指定外のベストを着る。

そんなのみんなやってる事だったけど、

私は、目立つ下級生だった。

みんながやってる事
プラス
この頃、男遊びが激しい。
そんな噂が流れてた。


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