ヴァイブ
「ヒドい事してるじゃん。」

「真帆の事を心配してるの?」

「するわけないじゃん。あの女、嫌いだし。」

「そっか。
無理に好きになれとは言わないけど。

響も色々とあったみたいだからな…
今は結構立ち直ってくれてるとは思うけど…

響と七海は、少し似てるな。」

「はっ?」


響と似てる?

どこが?


それよりも

真帆の…顔を思い出すだけで

ムカムカしてきて

途中でパスタを残した。


「次はどこ行く?」

玲二が自分の分のパスタを食べ終えてから
また同じ質問。

「ホテル」

同じ答え。

「あっ。ショッピングするか。」

私の返答を無視しながら、話しを進めてる。




玲二と手を繋ぎながら歩く。


周りにも、カップルが何組もいて

手を繋いでたり

腕を組んでたり…


その人達から見れば、私と玲二も

きっと恋人に見られてるんだろうな。

…違うのに。


だけど…

私は、こんな『デートらしい』事は、初めてだ。


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