ヴァイブ
一旦、家に帰って
荷物を全部置いてから玲二は急いで仕事着に着替る。

「じゃあ、行ってくるね。」

「うん。行ってらっ……」

続く言葉が出なかった。


玲二がキスしたから。

…唇じゃなくて、

私の後ろ頭を抱えて引き寄せて

おでこに…


一瞬、時が止まった様に動かない私に

「バイバイ。」

と、手を振って家から出て行った。


私は…

玲二の唇が触れた部分を触りながら

「何がしたいんだよ…」

呟いた。


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