ヴァイブ
でも、その姿は玲二じゃなくて

顔色を悪くした響だった。


「なんだ、響かよ。」

玲二じゃない事を残念がりながら、ソファーに座り直す。

「俺じゃダメ…?」

弱った声を出す響。

「べつに。」

響が相手だと相変わらず冷たい態度。


「玲二ならまだまだ帰って来ないよ。」

「何で?」

「玲二目当ての客が玲二を呼び出した客以外に、三人ぐらいいたからまだまだ帰れないわ。」

「何で、あんたは帰って来てるの?」

「その玲二目当ての客に、玲二来るまでガンガン飲まされて限界間近だったから。
昨日の飲み過ぎが尾を引いてるんだよな。
フラフラの俺を見て、先に帰っていいって言われたから帰って来た。」

その場でしゃがみこみながら、はぁとため息を出す響。

「あ~…気持ち悪っ…」

ダルそうな響に

仕方ない…

と思いながら、冷蔵庫からペットボトルに入った水をグラスに入れて

「ホラ。」

響の目の前に差し出した。

「おぉ。サンキュー」

響は、それを受け取って一気に飲み干す。


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