ヴァイブ
「玲二とは、まだSexしてないんでしょ?」

酔っ払ってるせいもあって、響は虚ろな目を私に向けた。

「あんたに答える必要ないし。」

「その答えはやってないな。」

「るっさいな。
酔っ払いは、早く寝ろよ。」

「あ~。そっか。
今日、玲二とのデートを邪魔されたから怒ってるのもあるんだ。」


…確かにそれは少しは、あるかもしれない…けど


「悪かったぁ!だって、あの客うるさいし。
真帆も明日、仕事だから早めに帰っちゃうし。」

「真帆…?」

その名前にピクンと目尻が動く。


「真帆がいればまた看病してもらうのになぁ~。」

「今から呼べば?
あの純情女なら急いでかけつけて看病どころかSexの相手までしてくれんでない。」

「俺は、今Sexはいいわぁ。」

「昨日、あの女、ヤリたそうな顔してココで座ってたんだから相手してやれよ。
処女まで奪っといて。」

「…何で知ってるの?」

虚ろだった目を急に見開かせて驚いた様に響が言う。

「あの女が言ってた。」

「そっか…」

響は額を両手で押さえながらうつむいた。


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