ヴァイブ
若い頃から、おじぃちゃんの元で働いてはいたけれど

社長と言う、人の上に立つ人間になる。

社員を背負う責任感はかなりの重圧だった。


おじぃちゃんに引けを取らない様に、一生懸命だった。

そんな中、家に帰って来た時だけ
ピンと張った糸を緩めて安らげる。

落ち着ける場所だった。


なのに…

私が中学校に上がった時、
母はまた、働きに出たいと言った。

私の子育ても落ち着いたから、
パートでいいから
また、販売員の仕事をしたい。
と父に話した。

家の事をするのがイヤなわけじゃない。

ただ、結婚前の様に外に出て働いて、気分転換みたいのをしたい。
そう思ったらしい。

七海が学校に行ってる時間だけでも。
と伝えると、父は猛反対をした。


なぜなら、
母が外で働く事で悪い虫が寄ってくると思ったからだ。


母はいつもキレイにしてるせいもあって、
とても若く見えた。

父は母を誰にも奪われたくなかった。


だから、反対を続けた。

その事が母のストレスになっている事には気付けなかった。

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