ヴァイブ
私を引き取るとかの話しは

私が記憶をなくして家に帰って来た後に行われた会話。


「七海が起きる前に出て行ってくれ。」

と、母はキャリーケースに
少しだけ荷物を入れて夜の闇へと向かった。


…ずっと、泣いていた。

だけど、引き止められなかった。

引き止めたら、許すと言う事。

父は、許せなかった。

自分を裏切った母を…どうしても。


一度、許したら
二度、同じ事をする。

許す度に同じ事を繰り返す。


そうなる事を考えたら…

許せなかった。

愛しているからこそ…

許して、今までと同じ様に笑って暮らす事なんか

無理だと思った。


…だから、

離婚する事を選んだ。


< 178 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop