ヴァイブ
この女、案外マトモな事言うんだ‥

琴子は、私に、目線を戻して

「そんなわけだから、手間取らせて悪かったね。帰っていいよ。」

私に言う。

「じゃあ。」

私は、その場から去って行った。



これが、琴子との出逢い。



だけど、もう関わる事はない。

そう思ってた。

思ってたのに、琴子は、何かある度に私に近付いて来た。

廊下ですれ違う度、私を見つける度に話しかけて来て、

たいした用もないくせに、
教室までやってきては、私の机の上に足を組みながら座ってくだらない話しをして行く。

「何で私に構うの?」

そう聞いたら

「あんたキレイで目の保養が出来るし気に入ったから。」

フフって笑いながら答えた。

「あんたレズなの?」

「違うけど、可愛い子は好きよ。」

ニッコリ笑った琴子には、
男の彼氏がいて、
レズってわけではないんだ。

そう思った。


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