ヴァイブ
少しの間、泣いてた母だけど

もち直して私を家の中へと招き入れてくれた。


リビングの座椅子に腰をかけて

家の中を見渡すと
ある事に気付く。


テレビ横に置かれてる写真立て。

その中で、お母さんとあの時母とSexしてた男と幼い女の子が三人で笑っている写真だった。


母は、私の前に紅茶を入れたティーカップを置いてから私の前に座った。

「さっきは…泣き崩れてごめんなさい。
あまり急だったもので…っ…」

母は言いながら、また涙が出てきそうなのか瞼を手で押した。

「いきなり来て…ごめん。」

私が謝ると

「ううん。いいの。
来てくれて、嬉しい。ありがとう。
…キレイになったわね。七海。」

そう言う母も、年相応には見えない容姿だ。

「子供…いるの?」

写真を見て気になった事を聞く。

「えぇ…最近、一歳になったばかりの子なんだけれど…

ついさっき、お昼寝しちゃったの。

七海は…いい気はしないわよね。

腹違いの妹なんて…。」


そんな事はない…と思いながらも
笑顔の写真を見て少しだけ嫉妬したのは事実だから

声には出さなかった。

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