ヴァイブ
「ねぇ、真帆?」

「なに…?」


心配そうに俺を見る真帆の真上で話す。

「俺…真帆の事、利用してるだけかも…。
でも、真帆といたい。
俺のワガママだから…
真帆がイヤなら、もう俺と会わないで。」

そう言うと、真帆は躊躇する事なく

「いいよ。響なら。
都合のいい女になってあげる。
響といたいから…」

柔らかな眼差しを俺に向ける。


…そんな言葉っ…

俺には、もったいないのに…


…嬉しい…


飛び出しそうな気持ちを抑えながら

真帆の唇を塞いだ。

真帆の手が俺の首に回る。

唇を離して、真帆の耳元で囁いた。


「…ありがとう…」



その後…真帆と盛り上がってる所に、
玲二と七海が帰って来てうっかり見られてしまった。


俺は、笑って済ませたけど
…真帆は、かなりショックだったらしく、
見られた七海とは今でも馴染めないって言ってた。

仲良くしたいけど…
あんな所を見られた上、七海には嫌われてるみたいだし…

って、真帆らしい奥ゆかしい事を言ってた。


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